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十日町は大陸からの冷たい空気と日本海の暖流が越後三山にぶつかることで、多くの雪が降り積もる厳しい大自然の地域です。そんな十日町には昔から継承されてきたものに「ほんやらどう」という伝統行事があります。「ほんやらどう」はみんなで集まって食べる場所、遊ぶ場所、楽しみ学べる場所、この土地の原風景なのです。新しい園舎は“季節にかぎらず”そんな「ほんやらどう」のような場所をつくりました。 冬季は多くの雪が降り積もります。そういった豪雪地域のユニークな外部環境と子どもたちの遊びや学びが結びき、子どもの遊び環境がより豊かになる計画としました。本園舎のまわりをぐるりとバルコニーをはりめぐらせ、雪が降り積もった時にはそり遊び、それ以外の時期にも草滑りなどもでききるスロープを計画しました。また季節気候に関わらず気軽に、多様な外遊びを行うことができる場所として、フレキシブルに使える広いピロティを設けました。四季を通じて子どもたちが外部環境と共生しながら、多種多様な遊びを実践・挑戦することができる環境をデザインとしています。 内部は子どもたちの多様な遊びかたや学びを誘発するための、様々な空間や仕掛けをデザインしました。外部で活動ができない積雪時期においても、多種多様な活動のできる広い遊戯室や回遊性のある廊下を設けて子どもの十分な運動量を確保し、アトリエスペースや絵本スペースなどで創作遊びや学びを得ることもできます。その他にも暖炉や水槽ウォール、キッズキッチンなどの様々な要素を持ったスペースから自ら遊び場を選ぶことで、遊ぶことを通して子どもの自発性を育むことができるような園舎となっています。